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Melemedy

ただいまロングバケーションちゅう

スタジオ

先日オーディションの為とあるスタジオに行った。

そこは約三年前の公演でお世話になったスタジオで、訪れるのも三年振り。

三年前の私は、丁度冷えとりを始めた頃で、絶賛毒出し中で、マキシマムいっぱいいっぱいだった。
自分の体に精一杯で、しかもその作品がかなり特殊だったし、死ぬ役だし、演出家は外国の方だしで、楽しかったけれど、かなり切羽詰まっていたのだ。

その作品の最中、本当に私は態度が悪かったと思うのに、その翌年にも殆どのメンバーが関わった同じ演出家による別の作品を作った時も、みんな優しく迎え入れてくれて、本当に有難かった。

あの頃の私に会ったら膝蹴りをお見舞いしたいくらい酷い態度だったと思う。
その時のメンバーには本当に申し訳なかったと思う。



それくらい切羽詰った思い出があるスタジオに行くのは辛いのではないかな、と思っていた。
けれど駅に着いて街中に一歩足を踏み出した瞬間、全ての記憶が柔らかく、甘やかに戻ってきた。

感謝とクリーニングをしながら、一歩一歩スタジオに足を進めた。

歩きながら、三年前の私は一人で体の毒だしに耐え(冷えとりの話をしても伝わる人が周りにいなかった)あらゆる記憶の吹き出しにも耐えていた。

お風呂に入ると記憶がシャワーの様に降ってきて、勝手に涙が出た。
そんな頃だった事を思い出した。

それを励ますでもなく、突き放すでもなくただ一緒に過ごしてくれたその場所に、感謝の気持ちが湧いた。

私が巨人だったら、そのスタジオを丸ごと優しく抱き締めたいくらい感謝の気持ちでいっぱいだった。

私は頑張ってた。
余裕が無さ過ぎただけで、頑張っていたんだ。
怠慢でもないし、横柄になりたかったわけでもなく、ただ頑張っていたんだ。

その事に三年たって、スタジオに訪れて、ようやく気付けた。

感謝しかなかった。

懐の深いその土地とスタジオに。

伝わるかなぁ?
ボキャブラリーが少な過ぎて、言葉が拙過ぎて、この感動を伝える術が無さ過ぎてもどかしいのだけれど、
そこに行けただけで私は幸せだった
とその日は思った。

でも結果が不合格だと判明した瞬間、
やっぱり行くだけじゃなくて受かりたかったと思った。
私の欲はまだまだ根深い。
悟りを開いた風なだけだった。